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Take

NetSimutransにおける設定のあれこれ

更新日:2023年12月10日

この記事は Simutrans Advent Calendar 2023 10日目の記事です。


 

1.はじめに

 坂がまだ急な坂しか無かった頃からsimutransに触れていましたが、このようにsimutransに関する記事を初めて書かせていただくTakeです。拙い文章ですがよろしくお願いします。


 初めてアドベントカレンダーに寄稿するわけですが、今回は"NetSimutransにおけるマップ設定"について書いていきます。1の位を四捨五入すると10年くらい続いてきたいわゆる"身内鯖"で、開催の都度マップ設定やら高度な設定やらをいじってきたのですが、どういう設定をするとプレイヤーはどう動くのか、触ったほうがいい設定や触ったことによるメリット・デメリット等々をご紹介できればと思います。あくまでも個人の意見・感想に基づくものですので、その点はご承知ください。


 その前に軽く身内鯖のお話を。当初は参加者全員が初心者、右も左もわからない中始まったサーバーでした。直角カーブ・平面交差上等の景観崩壊プレイ、まともに定められたルールは存在せず、皆破産していく有様です。単線の線路の両側を他社の複線で挟んで複線化を阻止するなんてこともありました。当初から使用pakはpak128.japanだったのですが、初代は何もアドオンを追加していないバニラでの開催。バニラって高架線路が存在せず、他社の軌道を越えるには橋しか選択肢がないんですよね。結果下の画像のようになりました。


 使用pakは基本128jpから変わらず、通常の本体からExperimental、一瞬のExtendedを挟んでOTRPへ。一度KU-TA版を挟んで現在はOTRPを使用させていただいています。現在は景観を重視するプレイヤーが増え、比較的安定してきたと言えるでしょう。



2.ゲーム開始時のルール運用

今まで複数回マップをやってきたなかで、毎回様々なルール設定で実施しました。その一部をご紹介します。


2.1 公共開放or閉鎖

 いろいろ建設ができて破壊もできる、破産もしない公共事業の取り扱いについてです。私の身内鯖では公共が閉鎖されていた時代があります。


公共閉鎖のメリット

・町の人口を過度に増加させることを抑制し、サーバーへの負担を減らす。

・ランドマークや産業の意図的な乱立を防止する


公共閉鎖のデメリット

・公共建築物が公共事業でないと撤去できず、路線や市街の拡張が阻害される。

・公共化された駅の工事が実施しにくくなる

・個人所有で道路が敷設された場合に手間が発生する(後述)


 とりあえず言えることとしては、参加者が秩序と節度を持って開発してくれるのであれば基本的に公共を閉鎖する必要はないでしょう。公共が閉鎖されていたということはそういうことなのかもしれません。また、当時のサーバーがとても貧弱なものであったことも背景にあります。現在は町全体を包括的に景観整備・市街構築をするケースが多く、ランドマークの建設などで公共事業が積極的に使われています。

 個人的には公共駅にせずとも旅客が乗り換えてくれたという点でexperimental(当時)を評価していましたが、今ではそれ以上の利点をOTRPに感じて乗り換えています。


2.2 年代設定ありorなし

 マップを開始するにあたって大きな分岐点となる年代設定。マップを始めてからでは変更不可能なので十分考える必要がありそうです。


年代設定ありのメリット

・年代に応じた車両、設備が登場することにより、時間経過とともに年代の進行に応じた開発が可能になる


年代設定ありのデメリット

・年代設定されていないアドオンが存在する場合、年代の雰囲気に合わない車両が運用される可能性がある

・bit_per_monthの設定によってはなかなかマップ内時間が進まずに年代の進行を感じることができない。


年代設定なしのメリット

・初期からすべてのアドオンが使用可能なため、初期から近代的な駅を作りやすい

・同様の理由で先を見据えて大きく豪華な駅を建築しやすい


 個人的には年代設定ありは嫌いではありませんし、面白いところを感じています。ただ、年代設定プレイをする際、年代設定されていなかったアドオンへの対応に苦労した過去があります。時を経るごとに走る車両が変わっていくこと、新しい車両が出るというわくわく感も非常に楽しめる点の一つです。


2.3 個人会社による道路敷設の禁止

 プレイヤーごとに好みは様々で、開発方法も違えば使うアドオンも違ってきます。道路に関しても同様で、様々な道路アドオンが存在する現環境では、既存の市道アドオンが気に入らずに個人が道路を置き換える、市域拡張の際に敷設することが多々あります。その際に個人の会社で道路を引いてしまうと、別の会社がその道路にバス停を設置できない、踏切で線路を跨げないという問題が発生します。このような背景から、私のサーバーでは個人会社による道路敷設を禁止しています。


 ところで、OTRPには「市道化を禁止する」という機能が存在します。道路の市道化を禁止することで勝手に置き換えられることを防止する機能です。そして、simutransの町は旅客や貨物を輸送することで発展していきます。このとき、町に存在する道路がすべて市道化禁止されていた場合、道路は自動で伸びることなく市域は広がりません。考えればわかることですが、「町全然広がらない」と言っていたプレイヤーがいました。


3.ゲーム開始時の設定変更

 ルールは対プレイヤーに効力を発揮するものなので、いつでも変更が可能ですが、simutransにおける設定、所謂高度な設定は開始したら変更できないというルールも多々あります。よく開始時に高度な設定とにらめっこをしたりsimuconf.tabと格闘しています。高度な設定については、simutrans日本語化wikiが詳しいので、そちらもご確認ください。


3.1 bit_per_month

 1か月の長さを設定する項目です。16から24の範囲で設定が可能で、1増えると1か月の長さが2倍になります。私の鯖では年代設定がないときは24、年代設定がある時は22で設定するようにしています。


3.2 world_maximum_height / world_minimum_height

 マップの標高上限・下限を設定できる項目です。デフォルトは恐らく32/-12ですが、この数値の幅を広げることでより高さを生かした開発が可能になります。高層ビルを建築したり高低差のマップをプレイする際には触ったほうが良いです。


3.3 allow_buying_obsolete_vehicles

 旧型の車両の購入可否を設定する項目です。年代設定なしであれば関係ない項目ですが、個人的には年代設定ありなら購入禁止にしたい派です。


3.4 crossconnect_factories / crossconnect_factories_percentage

 産業チェーンの繋がる割合を設定する項目です。手動でも産業チェーンを接続することは可能ですが、結構手間のかかる作業ということもあり、基本的には100%自動でつながる設定にしていることが多いです。


3.5 industry_incease_every

 設定された数値基準に応じて、産業チェーンを建設します。例えば2000に設定すると、2000,4000,8000,…と倍々のタイミングで産業チェーンが建設されていきます。基本的にはこの数値を0にしています。0以外の数値に設定すると、人口が増えるごとに産業がたくさん建設され、ひどいと画像のような状況になります。撤去が追い付かず、このマップは産業増加により終了となりました。


3.6 passenger_factor

 旅客の発生量を変更する項目です。マップが開発されていくと旅客需要はマップ全土で増えていきます。開始初期は旅客が少ないと思っていても、終盤になると旅客需要が爆増し200万人溜め込む人が現れます。旅客は是非貯めないように運んでほしいものです。

 現行のマップは3に設定しているのですが、それでも6桁待機が発生して頭を抱えています。年代設定ありだとなしの時より旅客発生量が多い印象です。


3.7 station_covergage

 駅の有効範囲を設定する項目です。pak128だとデフォルトは2、128jpだと3か4だったかと記憶していますが、基本最大の8で設定しています。128jpの場合3マスで80mなので、最大の8だと200mちょっとということになります。列車基準で考えてしまうと有効範囲狭いな、もっと頑張って歩けと思ったり…。ただバス停の有効範囲も併せて広がると、いよいよ旅客流動の構築や処理が大変だろうなというのは…


3.8 advance_to_end

 OTRP限定の項目ですが、チェックを外すと列車をホーム上の指定した位置に止めることができます。チェックが入っている場合はホームの先頭に合わせて停車します。このチェックが外れていないと、OTRPの増解結機能を活用した分割併合・機回し・機関車交換が実施できなくなります。機回し過激派がいるのでチェックを外すようにしています。


3.9 maintenance_building

 駅や車庫の維持費を設定する項目です。駅の価格・収容量・維持費ともにdatで記述するlevelに応じて変更されますが、この項目の数値を変えることで維持費を上下させることができます。デフォルトでも黒字化は難しくはないですが、少々高めな印象なので、少し価格を下げています。


4.マップ選び

 やはりゲームを始めるにあたって必須なのはマップ選び。どんなマップを選ぶかは運営側の面白いところでもあります。


4.1 ランダムマップ

 ホーム画面から「新しいマップ」を押下してすぐにでてくるランダムマップ。海面水位や起伏の高さや激しさ、町の数や平均人口等を自由に簡単に設定でき、マップの選択肢は無限大です。

 欠点を挙げるとしたら日本のような列島と海を作るのが難しいこと(海を多くすると小国の島国のようになる)、水の流れが推察できるような地形ではないこと、山地や平地の緩急がないことがあります。窪地があればそこから流れ出す水の流れや、川があればその川に沿って大きく削られた地形があるのが現実ですが、ランダムマップではちょっと難しそうです。


 そんなランダムマップでも個人的におすすめなのは「起伏の高さ1000・起伏の激しさ0」のマップです。高低差が激しく、平地なんて存在しないマップですが、このマップが実に山に挑んでいくようで面白いマップです。地形の制約に倣うのであれば伸ばせるような場所はかなり限られ、標高の高い場所に町や産業があるのならスイッチバックやループ線でアプローチを試みる。起伏の落ち着いたところを抜ける山越え路線を作るもよし、大トンネルで貫くもよし、年代設定で複線化やトンネル使用を縛ると年代での移り変わりが感じられます。



 崖にへばりつくsimutransとは思えない雄大な雰囲気を感じたり、高低差があるなかでもどうにかルートを確保していったり、結構面白いです。平地が少なく直線もろくに引けないので、OTRPで設置可能になった斜めホームが結構嵌っています。ちなみに、マップ作成前にマップ標高の上限・下限(3.2)を広げておくことを推奨します。標高が高い地域が何もいじれなくなりかねません。



4.2 地形データ作成による現実マップ

 bmpファイルにより地形データを作成することで、simutransでも現実の地形を開発することが可能です。作成方法についてはすでに書いていらっしゃる方がいますので、そちらをご参照ください。日本語化wikiからもいくつかのマップデータを入手することが可能です。海との境については結構忠実に再現可能ですが、川や湖に関しては手動でないと水が満たされません。下図左の中京マップにある川は手動で再現したものです。広い川の存在は開発するにあたってアクセントにもなりますが、画像の様に再現することは非常に手間がかかります。















 現実マップにすることの欠点としては、プレイヤーによって開発方針が異なり、現実に即して鉄道を再現する派と再現することなくいつも通りに自由に路線を伸ばす派がぶつかりあうこと。ここは現実なら〇〇駅があるのに、他の人が引いた架空路線が…ということもしばしばあったりします。ゲームなので好きにすればいい話ですが。

 もう一つは、範囲内に収めた地域と設置可能な産業の雰囲気が必ずしもマッチするものではないこと。例えば製鉄所や製油所、自動車工場が数多くありそうですが、鉄鉱山や炭鉱があるような雰囲気かというとあまりそうではない…というところです。このような背景があり疑似輸出入倉庫を作成しました。ただ、導入すると普通のマップでも建設されることがあって、何とも言えない感じになっています。


 中京マップをプレイ中、やはり新幹線が多く走っている姿が見たいということで新幹線を建設しましたが、このままでは空荷の新幹線が走ることになります。本来なら東京と大阪という大きな需要が東西にありますが、このマップには存在しません。疑似的に街を置くでも良いのですが、それでは通り抜ける旅客が限りなく少なくなること、マップ全体の旅客が急増してしまうことなどが懸念されます。…ということで旅客を産業により発生させることにしました。二等旅客を生産する産業と消費する産業をマップ両端に置くことで、マップ全体の旅客量に影響を与えることなく、マップを通り抜ける旅客を発生させることに成功しました。そのアドオンは疑似輸出入倉庫のページにて公開しましたので、もし需要があるようであればご確認ください。二等旅客を産業から生み出すことができるということは他の製品と同じように加工して作り出せるということですが、あまりに非人道的なのでやめておきます。


5.おわりに

 だいぶ脱線しながら、取り留めない記事にはなりましたが、サーバーでマップを開始する前にはいろいろ考えられることがあるんだという内容でした。当然これ以外にもまだまだ考えることはありますし、やはりプレイヤー・サーバーによってルールや風土が違ってくると思いますので、あくまでもこの内容はとあるサーバーの例であることをご留意いただければと思います。ルール設定以外にも新規pakの追加方法やサーバーがクラッシュした際の対応方法など、Netsimutransで考えられそうなことはまだまだありそうです。

 検証・研究の記事ではありませんでしたが、今回はこのようなところで終わりとさせていただきます。

 

 

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